登山の健康効果とは??
どーも!レイコです。
先日登山の魅力について少し語りましたが、今回はそのなかでも『魅力④健康的』について詳しく説明したいと思います。
有酸素運動と筋トレが同時に出来ちゃう!!
登山は長時間の有酸素運動をすることになります。長時間の有酸素運動は心肺機能を確実に強化し、タフな身体へと導いてくれる。
また、大きな岩や石がゴロゴロ転がっているようなアンバランスの地面や急斜面を登っていきます。ときには、スリル満点の難所もあり、それも登山の醍醐味だったりしますが、実はこういった平ではない道を歩くのに、知らないうちにインナーマッスルを使っているのです。
足場の悪いところでは、体幹部の深層筋を機能させ骨盤にいかにスムーズに体重を乗せられるかが重要なポイント!それで、体力の消費量も変わってくるのですが、山登りを続けていると、自ずと深層筋が鍛えられ、それによって体幹も強化されるそうです。
さらに、下半身や足の筋肉に注目されがちですが、重い荷物を背負うことで広背筋や脊柱起立筋が稼働したり、トレッキングポールを持てば腕の筋肉もおのずと鍛えられるようになります。
カロリー消費や脂肪の燃焼量がスゴイ
消費カロリーとは…
消費カロリーには、「基礎代謝」、「生活活動代謝」、「食事誘発性熱代謝」の3つがあります。
生きていくために必要なエネルギーとなるもので、息をしているだけでも寝ているだけでも消費されていきます。基礎代謝は全体の消費カロリーのうち、約60〜70%を占めています。
生活活動代謝
家事や仕事、学校生活などの日常生活をするだけで消費されるものや、運動で消費されるカロリーのことを指します。普段から運動をしたり、肉体労働をしている方は生活活動代謝が高いのですが、運動不足の方やデスクワークの方は低くなります。
食事誘発性熱代謝
食事をすることで消費されるものです。食事中や食後は体温が上がり、暑くなったり汗ばんだりすることがあります。これは食事誘発性熱代謝でカロリーが消費しているからなのです。
登山の消費カロリーはどんなもんじゃい。
運動の消費カロリーは生活活動代謝に含まれます。さて、登山はどれくらい消費するのでしょうかね。生活活動代謝(=消費カロリー)は以下のような式で求められます。
生活活動代謝=1.05×METs×時間×体重(㎏)
METs(メッツ)とは?
運動強度の単位で、安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したもの。メッツとは運動や身体活動の強度の単位です。
▽METs値3.0以上の運動
3.0 |
自転車エルゴメーター(50ワット)、軽いウェイトトレーニング、ボーリング、サーフィン |
4.0 |
卓球、アクアビクス、水中体操、速歩きで行うウォーキング(平地、95~100m/分程度)、バレーボール |
5.0 |
スクワット、ソフトボール、野球、テニス、かなり速歩きで行うウォーキング(平地、速く=107m/分) |
7.0 |
ジョギング、サッカー、スケート、スキー、ローラースケート |
7.3 |
4.5~9.5kgの荷物を持っての登山、 |
8.3 |
9.5-19.1kgの荷物を持って登山 |
9.0 |
19.1kg以上の荷物を持って登山 |
『身体活動のメッツ(METs)表』(国立健康・栄養研究所)http://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf
登山のMETs値は7~9!!サッカーやジョギングよりも運動強度は高い!そして、消費カロリーは1時間で約400~600カロリー。
例えば、60kgの人が10kgのバックパックを背負って(METs8.3)、6時間の登山をした場合、登山だけで約3100kcal消費することになり、基礎代謝を含めると男性であれば、5000kcal程度の消費カロリーとなります!
脂肪燃焼量:EPOC効果から
運動の種類、強度によってカロリーの消費率は高くなりますが、この状態は運動が終わったらいきなり止まってしまうわけではなく、運動後もしばらく続きます。この時間をEPOC(運動後過剰酸素消費量)といいます。
EPOC(Excess Postexercise Oxygen Consumption)とは、運動直後にカロリー消費効率が高くなる状態のことをいいます。運動の強度にもよりますが、一般的にはおよそ1時間半~2時間ほど続くといわれ、この間は通常よりも脂肪燃焼量が高くなります。
ある研究では、「激しい運動を行えば、運動終了後もエネルギー消費が上がった状態が14時間継続する」とのデータも発表されているほど!これは、運動後に体が安静時レベルまで状態を戻そうとすることから、通常より多くの酸素が摂取・消費されるためと考えられています。
EPOCによる体のなかで起こっている現象
・無酸素運動により筋肉に供給が間に合わなかった酸素の補充
・運動中に発生した疲労物質(乳酸など)の処理
・筋収縮に必要な直接のエネルギー源(アデノシン三燐酸、クレアチン燐酸)の再合成
・脂肪からエネルギーをつくる「脂質代謝」機能の向上
森林浴で内面も健康に
登山の効果は筋や脂肪だけに現れるわけではありません。神経系にもいい効果が…
入山したときや、森に入った瞬間、森林の独特な香りとともに爽快感を感じた経験はありませんか?それは樹木の出す成分によるものであり、それをフィトンチッドと呼びます。
フィトンとは植物、チッドとは殺すという意味のロシア語で、フィトンチッドとは、植物が周囲のバクテリアを殺すという意味です。
植物は周囲のバクテリアから自分を守るため、自助作用として揮発性の植物体を発散させます。これがフィトンチッド効果と呼ばれる樹木成長の秘訣であることがわかったのです。また、人間がこれを吸うと身体によいことが科学的に証明されています。
森林浴をすれば、このフィトンチッド効果を全身で感じることができるのです!
フィトンチッド効果として…
1精神安定作用(リラクゼーション)
・α波の発生を促し、精神を安定させる
・副交感神経の働きを活性化させ、自律神経の働きを整えてリラックス
2除菌作用
3消臭・脱臭作用
森に入るだけで、ストレスの軽減や血圧の低下、免疫力のアップに効果があり、リラックス状態になれることがわかっています。このことにより、今、この森林浴を本格的な医療に応用が出来ないか研究もされているくらい!すんばらしいんです!!
間違ってはいけない!ダイエットにオススメというわけではない気が…
最後になりましたが、声を大にして伝えたい!こんだけ消費カロリーが…とか言ってきましたが、ダイエットに向いているというわけではないと思います。痩せやすい体にしたり、体力をつけるためには、とても効果のある運動ですし、癒やし楽しみながらできる魅力的な運動です。
しかし、だからといって痩せたくて、体重落としたくて…とか安易な気持ちで行えば、怪我や命の危険も伴うスポーツです。計画的に、安全第一で行うことが大前提です。
また、登山は消費カロリーが大きい分、エネルギーを補給しようと小まめに飴やおにぎりなどを食べることになります。
ヒトが活動する上で、大事なのは脳の働き!!脳はどの臓器よりも多くのエネルギーを消費するにもかかわらず、そのエネルギー源となるのは、通常はブドウ糖だけなんです。ケトン体をエネルギー源として利用できますが、それは全てではなく、脳全体の20%程度にしか過ぎません。残りの約80%はブドウ糖から得なければいけないため、肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲン(ブドウ糖の塊)を分解したり、血液中のアミノ酸から糖を合成(糖新生:とうしんせい)したりして血糖を維持して、脳にエネルギー源を供給する必要があるのです。
ということは、ブドウ糖が足らなくなると、その代わりにアミノ酸が利用されるようになるのです。血中のアミノ酸が少なくなれば、さらに筋肉を分解してアミノ酸濃度を維持しようとするので、筋肉がどんどんと痩せてきてしまいます。
ブドウ糖の角砂糖や飴は即効性のあるものなので、エネルギーへの転換率が多いです。登山者は常にこういった甘いものを携帯して摂取し続けます。
そして、炭水化物は分解された末に糖分に変わるため、お米ならば狙った時間帯の2時間前に摂取しておく!糖質の摂取だけでは登山の高負荷に身体がついていかなくなるため、栄養補給には計画性が求められるということですね。
栄養が足りなくなると…
- エネルギー不足で身体が動かなくなる
- 糖がなくなり脳が働くなり遭難や事故のリスクへ
- 筋肉を著しく消費してしまう
こういった事も考え、登山をダイエットとするのは危険かなって思います。登山を安全に楽しんだ結果、筋肉や体力がついて運動の持続力がついた!とかならね、いいですけど。なんせ、危険なスポーツですから安易な気持ちが命を落とす原因に…。
ま、脅しましたが、本当に登山っておもしろいスポーツです!
来月の頭に『富士山』に登ってくるので、その感想をお書きします
では、また!